流産を経験した女性はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する危険性が高まると言われています。
辛い不妊治療を乗り越え妊娠し、喜びに満ち溢れていたのに、ある日突然赤ちゃんを失う喪失感はそれ程までに辛い事なのです。
時間がたてば忘れられると思われがちですが、2児を授かった現在でも突然子供たちを失う日が来るのではないかと不安に襲われる事があります。
流産後は体調不良や無気力で本当に辛い期間はありましたが、周囲の言葉のおかげで一年程で、次の胚移植に挑戦しようと思えるまでメンタルが回復できました。
流産後の無気力感
流産は予想を超える心と体の苦痛があります。
この苦痛に反応し、不眠や食欲の低下、無関心、無気力、不安や恐怖など、まるでうつのような症状が現れ事があります。
流産後、無意識に緊張状態が続く為、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくできないことが原因だそうです。
未だにに、流産した季節になると辛い気持ちが蘇る事があります。
流産後すぐにこのような状態になる人もいれば、1年や2年経ってから症状が出る方もいるようです。
悲しみだけではなく、自責や怒りの感情があふれ出る方もいると思います。
赤ちゃんの死に対して「自分が何か悪かったのではないか」と罪悪感を抱いてしまう方も多いでしょう。
なぜ心拍確認した時に先生は気付かなかったの?
見落としだったんじゃないの?
どうして私の子だけ・・・。
私は病院の先生たちや、順調に妊娠が経過している他の妊婦さんに対しても怒りの感情を持ってしまいました。
しばらくすると、
いつまでも悲しんでいては、赤ちゃんも悲しんでしまう。
ちゃんと前を向こう。
と無理に頑張ろうとはするのですが、思うように心のコントロールが出来ず、自分を責め、自信を失い、また頑張るという事をしばらく繰り返していました。
周囲に気を使わせない為に、普通に仕事をして子育てしているように装っていましたが、家に帰り子供が寝ると、
きょうだいを作ってあげられなくてごめんね。
寂しい思いをさせてごめんね・・・。
一日の中でも感情がグルグルと変化していました。
これは今思えば、「うつ」や「PTSD」のような反応の一つだったのかもしれません。
不妊治療を終え目標だった2児を得る事が出来た今でも、流産した時期になると辛い記憶が蘇り、いつかこの子達も突然いなくなる日が来るのではないかと思う事があります。
このような症状は時間が経つにつれ、少しずつ緩和はしていくとは思いますが、悲しみは一生消えるものではないのではないかと思います。
それでも、流産の事実を受け入れ、納得し、次に進もうと思えれば少しずつ悲しみの感情が溢れる回数も少なくなり、自分の心もコントロールしていけるのかもしれません。
流産後の体のケア
流産後はとにかく体の不調に悩まされました。
倦怠感や浮腫み・腰痛等が酷く、病院で様々な検査をしましたが改善する事はなく、漢方薬も全く私には効果はありませんでした。
鍼灸院で腎臓がとても弱っている事を指摘され、そこから自然療法で少しずつケアしていき1年程かけて回復していきました。
流産した赤ちゃんは戻ってくる
流産後ずっと無気力でメンタルが辛い状態から回復するには、何かきっかけになる事があると思います。
私は一番辛い時期に義妹から言われた言葉で、前を向こうと思う事が出来ました。
流産した赤ちゃんは、絶対にまた戻ってきてくれるよ。
だから大丈夫!!
普通なら、「上辺だけの慰めなんて全然嬉しくない。私の気持ちなんて分からないくせに。」と思うかもしれません。
しかし、私にとってはこの言葉は本当に救われる言葉でした。
なぜなら、彼女もまた流産の経験者だったからです。
同じように繋留流産・掻爬手術を経験し、その後無事出産に至るという経験をしていました。
その経験があったからこそ言葉に重みがあったし、何より普段から私を気遣い気にかけてくれているという良好な関係があったからこそ、私の心に深く届いたのかもしれません。
普段の人間関係が希薄な相手だと、逆にとても気づ付く言葉だったかもしれません。
流産後の移植はいつから出来る?
結論から言うと、 生理が再開し、医師の判断でOKが出て、「心身共に回復した」と自身が思えるようになれば、再開しても良いと思います。
しかし、流産後は自分が想像している異常に心も体もダメージを受けています。
私は流産後1年程体の調子が戻るのに時間がかかってしまいました。
そして、何より辛い不妊治療を再び再開しようと思えるまで心を回復させるのは、本当に長い時間がかかりました。
急いで移植を再開し、妊娠しなかったり、再び流産して更なるダメージを受ける可能性があるのならば、心と体の回復に少し時間をかけても良いと思います。
まとめ
流産後は皆自責の念や、無気力・不眠、そこから回復しなければ、と「うつ」や「PTSD」のような心身ともに不調をきたす時期があると思います。
同じ流産経験者ならば、誰しもが同じような感情や経験をしていると思いますので、無理に回復に努める必要はないと思います。
ゆっくりと自分のペースで流産の事実を受け入れ、自分の為に時間をかけて心と体のケアをしてあげてくださいね。