不妊検査の血液検査でTSHという甲状腺刺激ホルモンに異常があり、専門病院で調べた結果「甲状腺機能低下症」という病気が判明しました。
甲状腺機能低下症は、治療しなければ不妊の原因になる病気ではありません。
しかし甲状腺ホルモンは、
- 胎児の発達に大きな影響がある。
- わずかではあるが流産・早産が多くなる
その為妊娠を望む女性は必ず治療しておくべき病気です。
私は、数値が安定するまで不妊治療を進めてもらえませんでした。
実は甲状腺機能低下症は、若い女性に多い病気です。
しかし自覚症状がほとんどなく、不妊検査で血液検査で判明しない限り気付かない事が多い病気でもあります。
治療も悪性の腫瘍でもない限り、治療薬の服用だけです。
服用すれば浮腫みや不眠が改善され体調が良くなったり、痩せすくなる効果があります。
ヨードの多い食事(海藻や海苔)やコレステロールが高くなる食事への制限はあります。
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不妊検査をしたら発覚した、という方が意外と多い甲状腺機能低下症。
どのような治療をし、不妊治療を再開するまでの実際の記録です。
不妊検査で甲状腺機能低下症が判明
不妊検査の血液検査で、甲状腺刺激ホルモンの値が5.75という数値を示していました。
※通常基準値は0.27から4.20
甲状腺に何か異常があります。
まずはこれを治療しなければ不妊治療は出来ません。
と先生から言われ、病院から紹介状を受け取り早速専門病院へ向かいました。
検査の結果、甲状腺機能低下症である事がわかりました。
この甲状腺の病気、不妊治療を始めたら発覚した方は多いと思います。
なぜなら、
- 自覚症状がほとんどない
- 不妊治療の検査で発覚するまで気付かない
私の場合は自覚症状がほとんどないというより、ずっとこの体調だったから気付かなかったと言ったほうが正しい感じでした。
治療薬を飲めば2~3カ月程で数値は落ち着きました。
個人差はありますが、体調や体質にも多少の変化はあると思います。
自然妊娠した方は、甲状腺機能低下症に気付かない方も多いと思います。
甲状腺機能低下症は、直接的な不妊の原因になるわけではありません。
しかし、流産・早産のリスクがわずかにある為不妊治療をするなら治しておきましょう。
甲状腺機能低下症ってどんな病気?
日本内分泌学会によると、甲状腺機能低下症とは
甲状腺はのどぼとけの下にある蝶(チョウ)が羽を広げた形をした臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。
一般社団法人 日本内分泌学会より引用
このホルモンは、血液の流れに乗って心臓や肝臓、腎臓、脳など体のいろいろな臓器に運ばれて、身体の新陳代謝を盛んにするなど大切な働きをしています。
甲状腺ホルモンが少なすぎると、代謝が落ちた症状がでてきます。
甲状腺ホルモンの産生は脳下垂体より分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調節されます。
「甲状腺機能低下症」とは、血中の甲状腺ホルモン作用が必要よりも低下した状態です。
甲状腺機能低下症による症状には、一般的に、無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などがあります。
軽度の甲状腺機能低下症では症状や所見に乏しいことも多いです。
甲状腺機能低下症が強くなると、傾眠、意識障害をきたし、粘液水腫性昏睡と呼ばれます。
また、甲状腺ホルモンは、代謝の調節以外にも、妊娠の成立や維持、子供の成長や発達に重要なホルモンなので、甲状腺機能低下症では、月経異常や不妊、流早産や妊娠高血圧症候群などと関連し、胎児や乳児あるいは小児期の成長や発達の遅れとも関連してきます。
難しい言葉が多くて良く分からないです。
要するに基礎代謝が落ち、不妊や流産・早産のリスクがあるって事?
私は医療関係者ではないので、難しい説明を聞いてもさっぱりわかりませんでした。
ただ、甲状腺機能低下症の症状として、
- 全身にむくみ
- 腫れぼったい顔
- 眠そうな目
- 表情の乏しい顔つきが特徴
- だるい
- 疲れやすい
- 気力がない
このような症状の他、まだるっこしい話し方などから、他の病気(腎臓病、うつ病、なまけ病など)と間違えられることがあります。
このような症状に心当たりはありませんか?
私はほぼ全て自分に当てはまっていると思いました。
ここからは、実際に自分が実は感じていた自覚症状・病院での検査・薬を飲んで改善した事を紹介していきます。
甲状腺機能低下症の自覚症状
30年以上この体調で生活してきていたので全く気付かなかったのですが、体調が改善した今だからこれが自覚症状だったのかという事があります。
- ずっと疲労感・倦怠感がある
- 冷え症でずっと浮腫んでいる
- 少量しか食べなくてもすぐに太る
- 抜け毛・薄毛
疲労感・倦怠感
倦怠感は午前中が特に酷かったです。
しかし、超低血圧(下は40台、上は60台)だったので血圧が原因だと思っていました。
いつも疲れやすく、体力作りの為によく運動をしていました。
もちろん余計に疲れるだけで全く改善しませんでした。
冷え症・浮腫み
いつも二の腕・腰・お尻・足を中心に体が冷たく冷えていました。
長時間(3時間程)同じ姿勢で仕事等をすると、靴が入らないくらい浮腫んでいました。
むくんだ個所は、痺れるような痛みがあります。
太りやすい
小さい頃からぽっちゃりしていましたが、中学生で身長が止まってからは153センチ51キロがデフォルトでした。
生理前は水を飲むだけでも太ったんじゃないか、と思う程太りやすいです。
一晩で1.5キロ程(普通の量しか食べてないのに)太る事もありました。
無理やり食事制限で43キロまで落とした事もあったけど、ほぼ絶食状態でとても辛かったです。
何年も自分の食べたい物は食べられませんでした。
抜け毛・薄毛
ずっと抜け毛が多く、子供の頃から薄毛だった為甲状腺機能低下症の自覚症状とは思いませんでした。
髪を乾かすと、毛玉になる程の髪の毛がいつも抜けていました。
排水溝もいつも詰まっていました。
悪玉コレステロール
健康診断で、いつも悪玉コレステロールが多すぎると引っかかっていました
肝腎機能は正常なのに、なぜ引っかかるのか不思議でした。
甲状腺機能低下症の検査
●血液検査
|
●尿検査
|
●身長、体重の測定
|
●エコー検査
検査を終えると1時間程で検査結果が出ました。
甲状腺機能低下症ですね。
甲状腺に小さな水腫のような腫瘍がたくさんありますが、今のところ問題はなさそうです。
今後大きくなり、悪性になりそうなら対処していきましょう。
医師からチラーヂンSという甲状腺ホルモンを補充する薬を処方され、まずは甲状腺機能低下症の治療が始まりました。
こちらの甲状腺専門病院では、
初診料・エコー・血液検査全て含めて、6140円の診察料でした。
食事制限の指導
甲状腺機能低下症の診断をされている方は、悪玉のLDLコレステロールが増加することが指摘されています。
病院で管理栄養士さんからの食事指導がありました。
- バランスのとれた食事をする。
- 脂っこい食事を控える。
- コレステロールの多い食品のとりすぎに注意する。
- 食塩のとりすぎに注意する。
- 砂糖、菓子のとりすぎに注意する。
- 野菜、きのこ類を積極的に摂取する。
- 外食はなるべく避ける。
- 禁煙
しかし、実は私はかなり食事に気をつけている為ほぼこれらの項目は守れていたのです。
にも関わらずこれだけコレステロールが上昇してしまったのは、親からの遺伝と過度の飲酒が影響していると言われました。
私は実親も甲状腺疾患と高コレステロールで服薬している為、遺伝要素が多くあるとの事でした。
そして、いつも検査を仕事が休みの時に受けていた為、必ず前日に飲酒していました。
しかも、前日に深酒した日は極端に数値が悪化していたので間違いないと思います。
治療薬【チラーヂンS 】を飲んで改善した事
チラーヂンSを飲み始めて劇的に改善しました!!
となれば良いのですが、強い薬ではない為少しずつ改善していくという感覚でした。
私が感じた症状が改善したところは、
- 疲労感・倦怠感はあまり感じなくなった
- 自分の食べたい物を食べてもそんなに太らなくなった
- 抜け毛が減った
午前中の倦怠感は、かなり改善されたと思います。
生活習慣の見直し等も一緒に始めたので、薬の効果かは定かではありませんが。
そして薬を飲んで一番嬉しかったのは、自分の好きな食べ物を食べられるようになった事です。
今までかなり食事量の制限をしていましたが、ある程度自由に食べられるようになりました。
あくまである程度で、沢山食べるとあっという間に太ります!
でも、これだけでも改善してとてもストレスが減ったように感じます。
3か月後の再検査で数値は改善していたので、不妊治療も再開出来ました。
まとめ
甲状腺機能低下症の治療をすると、
- 治療すると体調が多少改善する可能性がある。
- 妊娠後のリスクが減る。
- 不妊治療が再開出来る。
といったメリットがあります。
デメリットは、治療費が掛る事くらいです。
治療はしなくても妊娠・出産している方はたくさんいると思います。
しかし、自分が知らずに妊娠すると子供に遺伝する事があります。
私の甥っ子は、生まれた時から甲状腺機能低下症でした。
恐らく母親も甲状腺の機能に問題があるのではないかと思います。
自然妊娠なので真相は分かりませんが、今もずっとチラーヂンを飲んでいます。
不妊治療クリニックでは、甲状腺機能に問題があると症状が改善するまで治療はお休みとなる事があります。
早めに治療しておきましょう。