2回目の採卵後、3回目となる胚移植周期を迎えました。
今回移植するのは、前回の移植で初めて再凍結となったグレード4BBの胚盤胞です。
しかし再解凍後のグレードは4BBから3BCへとダウングレード。正直、妊娠は難しいだろうと覚悟していました。
ところがこの3BCの胚で妊娠し、第2子を無事出産するという奇跡がおきました。
高度生殖医療を受けている方にとって、胚のグレードはどうしても気になる指標です。
しかし実際には、妊娠の可否はグレードだけで決まるわけではなく、最終的には卵そのものの生命力が大きく影響するのだと実感しました。
妊娠を目指して始めた採卵から、体外受精(顕微授精)の最終ステップである凍結胚移植まで、今回が7回目・最終回の移植です。その経過をブログにまとめました。
- これから体外受精・顕微授精を受ける事を検討している方
- 胚移植の流れ・方法・費用を知りたい方
凍結胚移植 移植周期⑦
生理開始後12日後~通院開始
生理開始12日目から通院を始め、超音波で卵胞の状態を確認しながら排卵日を探っていきます。
前回と同じく自然排卵に合わせて移植するため、本来の自然妊娠と同じように受精卵を迎える準備を進めていきました。

そろそろ排卵しそうだね!
3日後にまた受診してください。
この日の診察は超音波検査のみで、費用は550円でした。
生理開始15日目の診察では、尿検査で反応が出ていたため、排卵をサポートする注射を打ちました。

尿検査反応してるから、注射して帰ってね!
2日後に排卵してるか確認するね!
この日は超音波検査・尿LH検査・注射で合計6,600円かかりました。
生理開始17日目の受診で、排卵が確認されました。

排卵してるね!
移植は4日目、5日目どっちにする?

今回も5日目でお願いします。
こうして移植日は5日目に決定。検査費用(超音波・尿検査)は3,850円でした。
何度も移植を経験しているうちに、自分の排卵のタイミングがわかるようになり、通院日数も少なくすむようになってきました。

最後の1個だから、がんばろうね!
その言葉で、いよいよ残りの受精卵が最後であることを実感しました。
今回妊娠しなければ、不妊治療をやめようと考えていた一方で、「本当に諦めきれるのだろうか?」という迷いを抱えながら迎えた移植周期でもありました。
胚移植当日
今回の移植は再凍結卵だったため、当日の朝に解凍が行われました。
残っている最後の1個だったので、今回はその1個を解凍しての移植です。
来院前
これまでの経験から、膀胱に尿をあまり溜めすぎない方が自分には合っていると感じていたため、今回も控えめにして病院へ向かいました。
実際あまり溜まってはいませんでしたが、問題なく大丈夫でした。
来院する際の注意事項はこちらでご確認ください!

来院後
呼ばれると、まず胚培養士さんから移植に使う胚について説明があります。

今回解凍した卵がこちらになります。
写真を見せていただいた瞬間――。
私はその状態を目にして、思わず絶句してしまいました。
こちらが最後に移植した実際の卵です。

再凍結する前の状態がこちらです。

まるで別の卵の姿に、現実を受け止めきれませんでした。
丸い卵の状態には戻れず、もはや生きているのかさえ分からず、再凍結のダメージを受けているのは明らかでした。
実際に、グレードは4BBから3BCへとダウングレードしていました。
もちろん今まで移植した胚のグレードの中で最低のグレードです。

これは・・・。
移植できるレベルなのでしょうか・・・?

・・・。
なんとかグレードがついた、という程の状態です。

移植しても意味がないのなら、移植中止にしたほうが良いのではないですか?

確かに、本来なら廃棄になるレベルではあります・・・。
しかしこれが最後の卵になりますので、移植させてもらえないでしょうか?

・・・。
そうですよね・・・、最後なら移植するべきですよね・・・。
本当に移植するかどうか、直前まで迷いました。
本来なら廃棄するようなレベルの胚で妊娠出来るとは到底思えなかったし、それで妊娠出来たとしても妊娠が継続出来るのだろうか?と本当に不安でいっぱいでした。
しかし担当の培養師さんの強い思いが感じられ、培養師さんを信じてみようと思ったのです。
培養師さんもきっと解凍しながら、一生懸命回復しようとしている卵を見て、最大限の尽力をしてくれたんだろうと思います。
説明を聞いたら前回と同じ手順で移植していきます。
移植の手順はこちらでご確認ください!

移植費用合計約78,463円でした。
今までは助成金でほぼ賄えていましたが、全て使いきってしまった為今回は全額自費です。
黄体ホルモン補充の注射をしています。
妊娠判定日まで
胚のグレードの件、今回で不妊治療を最後にする予定だった事もあり、胚の移植後は基礎体温も測らずにノーストレスで過ごしました。
アルコールこそ飲みませんでしたが、次の受診の予約もせず自由きままに過ごす事が出来ました。
そして、生理予定日になっても生理が来ないので

まさか妊娠してたりする・・・?
明日の朝体温を測って高ければ、妊娠検査薬を使ってみよう・・・。
妊娠判定
翌日になっても生理がこないので基礎体温を測ってみると、37℃近くの高温だった為妊娠検査薬で検査してみました。
2年前なので線が薄くなっていますが、当時は尿をかけたらすぐにくっきりとした線が出てきました。
グレード3BCの廃棄レベルの胚で、なんと妊娠する事が出来ました。

ちなみに妊娠検査薬は市販のクリアブルーで、フライング検査が出来るタイプのものではありません。
まとめ
今回の移植は再凍結卵だった事もあり、移植出来るかも微妙な状態だった為、生活を整える事もなく挑んだ移植でした。
結果的に何のプレッシャーもなく、期待もしていなかったので気楽な気持ちで挑む事が出来た事がプラスに働いたのかもしれません。
そして今まで胚のグレードは気になっていましたが、見た目が廃棄レベルの胚であっても、胚の生命力が強ければ妊娠出来る可能性があるという事がわかりました。
胚移植をしている方は、多くの方が胚のグレードを気にしていると思います。
しかし、実際にこのような事もあるのだと知って頂ければ、妊娠出来る可能性のある胚が処分される事も少なくなるかもしれないと思いました。
生理予定日のフライング検査は、生理予定日1週間後から使用出来るタイプの検査薬でも反応する事があるようです。

