不妊治療や妊活中で妊娠や着床率を上げたいと言う方が、効果的に子宮の機能を向上させるために人気なのが鍼灸です。
鍼灸の施術には、不妊だけでなく腰痛や肩こり、全身の症状の改善に効果が期待出来ます。
実際に私も不妊治療中鍼灸院に通い続けていましたが、確実に体の調子が向上し妊娠の手助けになったと思っています。
しかし、私の担当の鍼灸師さんは「不妊鍼灸というものは存在しないと思います。」と言っていました。
なぜ鍼灸師さんが不妊鍼灸が存在しないと考えるのか、そして実際4年以上鍼灸に通って感じた効果をご紹介していきます。
不妊治療における鍼灸治療の効果とは?
不妊治療の体外受精・顕微授精にステップアップする方は、高額な治療を成功させるためにより良い子宮環境で受精卵を迎えたいと考えますよね。
一般的に妊娠しやすい体作りには、
- 体の冷えを取り子宮を温める
- ストレスを緩和し心をリラックスさせる
- 食事療法や運動で体質改善する
この3つがまずは取り上げられ、その為に鍼灸やマッサージに行かれる方も多いと思います。
実際不妊治療専門の鍼灸院やマッサージ店はインターネットで検索すると沢山出てきますよね。
では、鍼灸治療は不妊治療において本当に効果があるのでしょうか?
鍼灸治療もそれなりの金額がするので、一番気になる所です。
不妊鍼灸を名乗っている鍼灸院だと、一度の施術で6,000~8,000円と高額な施術料がかかる場合もあるようです。
冒頭にも言いましたが、私が通っていた鍼灸院の先生は
私は不妊鍼灸とは存在しないと思います。
とはっきり言っていました。
鍼灸は体の全体の血の巡りを良くし、弱っている個所の臓器の機能を回復させるものです。
その結果、子宮の血の巡りが回復して妊娠する事があるとは思うけれど、不妊治療を目的とし、子宮の機能だけを回復させる鍼灸というのは私はやっていません。
なので、不妊治療の鍼灸をやっていますか?という問い合わせの患者さんにはやっていません。と答えています。
と言っていました。
しかし、同じ東洋医学での鍼灸師でもそれぞれ考え方も違います。
より東洋医学寄りの考えの人もいれば、西洋医学寄りの考え方をする人もいます。
なので、自分の考え方に近い鍼灸師のもとで体づくりをすることが一番良いのではないでしょうか?
鍼灸には体全体の調子を向上させる効果があり、全体の調子が向上する事により妊娠しやすい体を作る、という効果があるのかもしれません。
鍼灸は着床率をあげるのか?
西洋医学における不妊治療の成功率は約15%~25%といわれています。
高度生殖医療(不妊専門外来)を受診すると一度の治療で20万~60万円と高額な治療費がかかるのに、この成功率だと少し割に合わないような気がしますよね。
体外受精・顕微授精はとにかく費用が高い!!
それならば出来るだけ少ない回数で妊娠したい!
この着床(妊娠)率を少しでも上げる為に、鍼灸治療等の東洋医学を併用されている方はとても多いのではないでしょうか?
東洋医学で自律神経や女性ホルモンを整え、妊娠しやすい身体づくりを行い、自然治癒力を高めて、健康な身体の基礎を作っていく。
その基礎の上に、西洋医学の的確な治療を行うことによって、副作用を極力減らし、体に負担をかけずに効果的な治療(妊娠する事)が可能となるのではないでしょうか。
鍼灸治療は質の良い卵子を作る手助けや子宮・卵巣の機能向上だけでなく、全身に作用する治療法ですので、不妊治療にともなうストレスなども緩和することができるようです。
ストレスや体の不調を取る事で、着床率を上げる事は出来るのかもしれません。
実際に自分が鍼灸をして思った事
私は不妊治療前から酷い肩こりと腰痛に悩まされていた為、不妊治療とは関係なく鍼灸に通っていました。
結果的に妊娠に至る事は出来ましたが、全てが鍼灸の効果だとは思いませんでした。
何故なら鍼灸師の先生がどれだけゴッドハンド並みに優れた先生でも、自分も正しい知識を持ち、自分の体のメンテナンスを出来ないと効果を持続出来ないからです。
- 食事療法
- 生活習慣改善
- 適度な運動
鍼灸でプロにメンテナンスしてもらいつつ、毎日継続的にこれらを自分でも続けていく事により効果があるのだと思います。
食事療法
職業柄、基本食品添加物を摂取しない食事療法をもともと取っていたのでこれはあまり苦ではありませんでした。
グラニュー糖など体を冷やす食材は基礎体温に大きく関わってくると思います。
基礎体温が0.5℃程上がるととても楽に生活する事が出来ます。
妊活とは関係なく、食品添加物を減らし季節の食材を積極的に摂取する事は、体質改善にはとても効果があると思います。
私は甲状腺機能低下症の持病がありますので、こちらの治療の為にも食事療法は必須でした。
生活習慣改善
私はこの生活習慣改善が一番苦労しました。
なぜなら、夜の晩酌が大好きでそれに伴い超夜型人間だったからです。
いつ終わるか分からない不妊治療のために断酒するなんて、それこそストレス溜まりそう・・・。
それなら飲む種類を変えると良いですよ!
ビールや焼酎等体を冷やすお酒は避け、ジンを飲むと少しはマシだと思います。
それにストレスを感じるなら、適度な飲酒は大丈夫ですよ。
お酒の種類を変えたり、量を減らしたりと試行錯誤しながらストレスにならない程度に頑張っていました。
食事療法同様、甲状腺機能低下症の治療の為にも多少の改善は出来ました。
適度な運動
こちらも元々毎日ウォーキングしていたので、全く苦ではありませんでした。
しかし、
更に運動量を増やそうとランニングを始めたら、頑張りすぎて疲労骨折してしまいました。
ランニングも大切ですがその為の準備運動でしっかりと筋肉を伸ばし、終わったらしっかりとストレッチをして筋肉をほぐして休ませてあげる事がとても大切だという事を鍼灸師さんから教えて頂きました。
まとめ
鍼灸が不妊治療に効果があるかどうかは個人差がとても大きいと思います。
- 東洋医学を取り入れて体質改善をしたい
- 高度生殖医療の補助的に取り組みたい
- 時間がかかっても自然妊娠したい
このような考えから鍼灸を取り入れたいと思っている方には向いていると思います。
しかし、あくまで東洋医学は体の機能を回復させる手助けをするもので、その効果も時間がかかるため、
- 少しでも早く妊娠したいから効果的な方法を試したい
- 継続して続ける時間やお金がない
このように妊娠を急いでいる方や、継続する時間やお金の余裕がない方にはあまり効果がないかもしれません。
しかし、東洋医学の食事療法や自然療法は自分の体を知りメンテナンスしていく上でとても良いと思います。
不妊治療とは関係なく、普段の生活に取り入れる事はとてもおススメです。
鍼灸院が移転した為現在は通えていませんが、またいつか再開出来たら良いなと思っています。