体外受精や顕微授精の高度生殖医療を検討していると、やはり費用はとてもきになりますよね。
一回でもとても高額で払えないの?ローンを組まないと治療出来ないくらい高いの?と不安でいっぱいになります。
私達夫婦も、レディースクリニックでの個別説明会で費用やスケジュールの詳細を聞くまでとても不安でした。
クリニックでの個別説明は、必ず夫婦揃っての参加と決まっており、夫とクリニックへ行きました。
昼休みを使っての説明になるので、一日2組の人数限定なので予約も2カ月待ちです。
しかし、各夫婦にしっかりと医師から説明してもらえるのでとてもありがたかったです。
顕微授精以外で妊娠できない原因
まず、医師からなぜ私たち夫婦が顕微授精でないと妊娠出来ないのかの説明がありました。
まずお二人の検査結果ですが、今のご主人の精子の数・運動率から自然妊娠は99.9%望めません。
それがどういう事かというと、例えば普通のご夫婦の自然妊娠する確率が日本海から日本に向かって砲撃してるイメージだとしたら、あなた達ご夫婦はアメリカ位の距離から日本を砲撃してるってイメージ。
これだとなかなか当たらないよね?
10年待てるなら自然妊娠する事が奇跡的にあるかもしれないけどね。
でも、10年も待てないよね?
なので、あなた達ご夫婦の場合は精子が卵子の所まで自力で泳いで行き、卵子の中に入っていく事が出来ないので、その部分を私たちが顕微授精という方法でお手伝いさせてもらいます。
とってもわかりやすい例えですね(笑)
年齢もまだ31歳で若いから妊娠する事が出来るよ。
先生が自信満々に妊娠出来ると言ってくれてとても嬉しかったし、気持ちを奮い立たせてくれました。
体外受精・顕微授精の治療スケジュール・費用
では、次は奥様にやってもらう治療と費用の説明をするね。
卵巣刺激方法
顕微受精はLong法をShort法ってのがあるけど、あなたは若いからLong法ね。
Long法とShort法
採卵するに当たって卵巣を刺激して良質な卵を育てていきます。
その刺激方法は様々で、私の行っていたクリニックでは主にLong法とShort法が用いられていました。
Long法とShort法はナファレリールという点鼻薬の使用期間が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあり患者の年齢や体質で担当医が決めているようです。
Long法は強い刺激で一度にたくさんの卵を採卵出来ます。
点鼻薬を長期間使用するのは抵抗があるけど、一度にたくさんの卵がとれるメリットがあるなら良いですね。
たくさんの卵が取れるからOHSSになるデメリットもあるよ。
その場合は、受精卵を凍結して次周期から移植していきます。
※OHSS・・・卵巣過剰刺激症候群
Long法は、
- 一度にたくさんの卵を採卵出来るが、OHSSになる可能性がある。
- 点鼻薬が2本必要になるので、費用が高くなる。
- 前周期からの避妊・点鼻薬の使用が必要。
点鼻薬
ナファレリール
採卵の周期の前周期の高温期に入ったら一日2回点鼻薬をプッシュします。
採卵の直前、医師からの指示のある日まで毎日続けるます。
費用 1本8,000円~ Long法なら2本必要です。
1回でも忘れたら治療中止になるから必ずやってね。
こんなに高い薬、絶対に忘れて中止にしたくないな・・・。
注射
生理が始まったら3日目から注射が始まるので予約してください。
生理3日目~5日目
FSH製剤フォィルモンP等の注射を打って卵の数を増やします。
費用は1回4,000円前後です。
6日目~HCG注射日
HMG製剤HMGフジ等の注射を打って卵を大きくして子宮内膜を厚くします。
費用は1回2,000~4,000円程です。
私は7日間でした。
両方とも卵巣を刺激してたくさんの卵を育てる効果があるけれど、OHSSといって卵巣過剰刺激症候群や卵巣の腫大・腹水・胸水貯留なんかの副作用があることがあります。
採卵日の2日前の夜
20時の時間指定でオビドレル等の卵胞が排卵前の状態になるまで成長したら排卵の刺激を与える注射をします。
この注射を打ったら、35~38時間後頃採卵します。
採卵後
黄体管理の注射を当日打ちます。
だいたいこんな感じのスケジュールだけど、あとは個人差があるから2~3日ごとに内診しながら変更していく感じだね。
実際のスケジュール表がこんな感じです。
採卵するまでに毎日通院して、こんなにたくさんの注射を打たなきゃいけないの!?
しかも注射1本にこんなにお金かかるの!?
採卵日当日
麻酔を打つ為、起床時から絶飲食です。
私の行っていたクリニックでは大体午前9時頃からの採卵となりますが、他の方の予約状況等によって多少前後すると説明されました。
膣から針を刺して採卵します。
患者さんに注射をがんばってもらっているので、私もなるべく1個も取り残しのないように採卵します。
先生は責任重大ですね。
昼まで休んでもらって、最後もう一回診察して帰ってもらいます。
ご主人は一緒に来て院内で採精してもいいし、持参してもらってもどちらでも結果は同じなので構いません。
採卵翌日
次の日に受精確認の電話をしてください。
卵巣の腫れがなければ同一周期で新鮮胚移植、腫れがあれば一度凍結して次周期に凍結胚移植になります。
と、こんな感じで大まかな説明が終わりました。
道のりが長すぎる・・・!!
つくづく自然妊娠出来る方が羨ましい!!
わかってはいたけど・・・本当に体外・顕微授精、妊娠までの道のりが長いです。
肝心の費用ですが、私が治療していた当時の金額でこんな感じでした。
大体30万弱・・・といったところでしょうか。
お気づきの方も多いかと思いますが、他院に比べると格段に安いです。
(30万で安いと感じる時点でだいぶ麻痺していますが・・・)
まさか顕微授精する事になるとは思ってなかったから病院選びで費用は特に気にしてなかったけど、この病院を選んで本当に良かった!!
私も気になって先生に聞いてみたのですが、頑張って不妊治療している患者さんの事を思うと高額には出来ないという先生の意向のようです。
とっても怖い先生ですが、医師の鏡のような方ですね。
ちなみに、手数料を患者さんが負担する事になるのでカード払いも不可となっています。
ありがたい事ではあるのですが、採卵でふらふらの状況で大金を持って街を歩くのは怖かったです。
まとめ
採卵はLong法だと
- 前周期から避妊や点鼻薬の治療が始まる
- 卵はたくさんとれるが、OHSSになる可能性が高い
当たり前だけど、
- 費用が高額
- 毎日の注射・2日に一度は内診があるので通院回数が多い
後に他院で治療していた友人に聞いた情報ですが、私が行っていた病院は費用は安いですが、決して腕が悪い訳ではなく市内では腕、設備共にトップランナーなんだそうです。
紹介するならここを紹介するって言われたと言っていました。
ちなみに私が住んでいる地域は結構な都会なエリアです。
本当に先生には感謝ですが、そもそも不妊治療が保険適用外な事が問題です。
※2021年現在は不妊治療が保険適用になる方向で動いていますが。
私が治療していた頃よりは、不妊治療の助成金の幅も広がり治療しやすくなったと言われていますが、同時に病院の費用が上がったり、治療する患者さんの数も増え予約が取りにくくなったりと不自由になった面も多いと思います。
これから治療する方々のためにも、早く不妊治療の保険適用化が進んで欲しいですね。
全て私が治療していた2015年頃のものになります。
現在は変更になっている部分もあると思いますので、ご了承願います。